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[第一節]万人教祖主義

Section One: Omnifundatoresism

[第一項]万人教祖主義って何ですか。

「万人教祖主義」(omnifundatoresism)というのは、 「すべての信者は教祖である」という命題のことです。

言い換えると、万人教祖主義というのは、 「信者が信仰している宗教の教義は、 信者ごとに異なっている」ということです。 つまり、個々の信者が信仰している宗教の教義は、 まったく新しく創始されたものか、または、 既存の宗教の教義に対して、その一部分を修正したり、 その一部分を削除したり、新たな要素を追加したりしたものだ、 ということです。

[第二項]共存型一神教って、万人教祖主義を主張してるんですか。

はい、共存型一神教は万人教祖主義を主張しています。

共存型一神教は、 その教義の中に万人教祖主義を含んでいます。 ですから、共存型一神教の信者の一人一人は、 独自の共存型一神教の教祖だということになります。

[第三項]「共存型一神教」という言葉って、固有名詞なんですか。

いいえ、「共存型一神教」という言葉は、 固有名詞ではありません。

「共存型一神教」は、 第一章第四節第八項で定義されているように、 「その教義の中に、多位一体、第一原因としての神の存在、 万人教祖主義という三つの主張をすべて含んでいる宗教」 という概念を意味する言葉です。 ですからこれは、固有名詞ではなく普通名詞です。

共存型一神教という宗教は、 その教義の中に万人教祖主義を持っていますので、 その信者の一人一人は、独自の宗教を信仰していることになります。 「共存型一神教」というのは、 それらの人々が信仰している宗教を総称する言葉です。

[第四項]共存型一神教に属する宗教の信者になりたいときって、 どうすればいいんですか。

共存型一神教に属する宗教の信者になるためには、 独自の共存型一神教を創始する必要があります。

独自の共存型一神教を創始するというのは、 共存型一神教に属する既存の宗教の教義を学んで、 それに含まれている命題を修正したり、削除したり、 あるいは新たな命題を追加したりする、ということです。

[第五項]共存型一神教の教義に修正を加えることによって、 共存型一神教に属さない宗教を創始する、 ということは許されますか。

はい、許されます。

人間は誰でも、自由に新しい宗教を創始することができます。 ですから、共存型一神教の教義に修正を加えることによって、 共存型一神教に属さない宗教、すなわち 第一章第四節第八項 に書かれている定義から逸脱した宗教を創始したとしても、 非難される理由は何ひとつありません。

[第六項]親教義って何ですか。

AとBが教義だとするとき、 Aに対して修正や追加や削除を加えたものがBであるという関係が それらのあいだに存在するならば、 AをBの「親教義」(parent dogma)と呼びます。

[第七項]子教義って何ですか。

AとBが教義だとするとき、 Aに対して修正や追加や削除を加えたものがBであるという関係が それらのあいだに存在するならば、 BをAの「子教義」(child dogma)と呼びます。

[第八項]共存型一神教に属するすべての宗教の教義は、 ひとつの共通の先祖を持ってるんですか。

はい、持っています。

共存型一神教に属するすべての宗教の教義は、 その親教義の系列を遡っていくと、 かならずひとつの共通の先祖に到達します。

[第九項]「共存型一神教標準教義」って何ですか。

「共存型一神教標準教義」 (The Standard Dogma of Inclusive Monotheism)というのは、 共存型一神教に属するすべての宗教の教義について、 その親教義の系列を遡っていったときに到達する、 共通の先祖に相当する教義のことです。

この教典(「共存型一神教標準教義」)は、 その題名が示しているとおり、 共存型一神教標準教義を記述したものです。

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