「一神教」(monotheism)という言葉には、 広い意味と狭い意味とがあります。
広い意味の「一神教」については 第二項、 狭い意味の「一神教」については 第四項を 参照してください。
広い意味の「一神教」というのは、 一柱の神だけを崇拝の対象とする宗教のことです。
広い意味の「一神教」には、 崇拝の対象とする一柱の神のほかにも 神々が存在するのかどうかということについて、 それを認める宗教も、認めない宗教も、 どちらでもかまわないという宗教も含まれます。
「多神教」(polytheism)というのは、 二柱以上の神々を崇拝の対象とする宗教のことです。
広い意味の「一神教」という言葉と「多神教」という言葉とは、 対義語の関係にあります。
狭い意味の「一神教」というのは、 広い意味の一神教のうちで、 神というものは 一柱だけしか存在しないと主張するもののことです。
日本語では、 狭い意味の「一神教」のことを 「唯一神教」と呼ぶこともあります。
「単神教」(henotheism)というのは、 広い意味の一神教のうちで、 崇拝の対象とする一柱の神だけではなく、 それ以外の神々の存在も認めるもののことです。
日本語では、 「単神教」のことを「単一神教」と呼ぶこともあります。
「交替神教」(kathenotheism)というのは、単神教のうちで、 崇拝の対象とする一柱の神が常に一定というわけではなく、 次々と交替していくもののことです。
「拝一神教」(monolatry)というのは、 広い意味の一神教のうちで、 崇拝の対象とする一柱の神のほかにも 神々が存在するのかどうかということについて、 どちらでもかまわないとするもののことです。
「アブラハム宗教」(Abrahamic religion)というのは、 ユダヤ教(Judaism)、キリスト教(Christianity)、 イスラーム(Islam)という三つの宗教の総称です。
アブラハム宗教は、いずれも狭い意味の一神教です。
アブラハム宗教に属する三つの宗教は、 その起源に関して密接な関連性を持っています。 キリスト教は、ユダヤ教の中の一宗派が独立したものですし、 イスラームは、 ユダヤ教とキリスト教からの強い影響のもとで成立したものです。
アブラハム宗教に属する三つの宗教のそれぞれが 崇拝の対象としている神は、 基本的には同一のものです。
「アブラハム」(Abraham)というのは、ユダヤ教、キリスト教、 イスラームに共通して、 信仰心の厚さのゆえに尊敬されている人物の名前です。