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[第二節]有神論

Section Two: Theism

[第一項]霊的存在者って何ですか。

「霊的存在者」(spiritual individual)というのは、 超自然的な力を持つ存在者のことです。

霊的存在者は、その性質に応じてさまざまな名称で呼ばれます。 霊的存在者に言及するために使われる名称としては、 「精霊」「幽霊」「妖怪」「天使」「悪魔」「仏」「天」「神」 などがあります。

[第二項]神って何ですか。

「神」(god)というのは、霊的存在者のうちで、 畏敬の念を人間に抱かせるものことです。

「神」という言葉が指しているものは、 背景となる文化ごとにさまざまですので、 それを厳密に定義することは不可能だと言っていいでしょう。 さまざまな文化が「神」という言葉に付与している さまざまな性質から核となる部分を取り出せば、 上の定義のようなものになるのではないかと思われます。

また、背景となる文化によっては、 上の定義を満足する存在者を 「神」ではなく別の言葉で呼んでいることもあります。 たとえば儒教における「天」や、 大乗仏教における「仏」や「菩薩」は、 「神」の別名だと考えていいでしょう。

なお、 この教典(「共存型一神教標準教義」)のここから先では、 畏敬の念を人間に抱かせるか否かにかかわらず、 すべての霊的存在者を「神」と呼ぶことにします。 つまり、 「霊的存在者」という言葉と「神」という言葉とを 同義語として扱う、 ということです。

[第三項]有神論って何ですか。

「有神論」(theism)というのは、 「神は存在する」という命題のことです。

「神は存在する」という命題は、 実証的な方法では真偽を決定することができない命題、 すなわち超自然的な命題です。

多くの宗教は、その教義の中に有神論を含んでいます。 しかし、有神論を持つことは、 価値観が宗教であるための必要条件ではありません。 たとえば、初期仏教は有神論を持たない宗教の一例です。

[第四項]無神論って何ですか。

「無神論」(atheism)というのは、 「神は存在しない」という命題のことです。

「神は存在しない」という命題は、 実証的な方法では真偽を決定することができない命題、 すなわち超自然的な命題です。 したがって、無神論を含む価値観は、 宗教の一種だと考えることができます。

[第五項]汎神論って何ですか。

「汎神論」(pantheism)というのは、 「神と世界とは同一のものである」という命題のことです。

[第六項]汎在神論って何ですか。

「汎在神論」(panentheism)というのは、 「万物は神の内部に存在している」という命題のことです。

[第七項]理神論って何ですか。

「理神論」(deism)というのは、「神は世界を創造したが、 そののちの世界の進行に神が干渉することはない」という 命題のことです。

[第八項]アニミズムって何ですか。

「アニミズム」(animism)というのは、 「世界の任意の部分について、 そこには神が存在している」という命題のことです。

[第九項]人格神って何ですか。

「人格神」(personal god)というのは、人格を持つ 神のことです。

「人格」(personality)を持っているというのは、 人間と同じような自我を持っているということです。

[第十項]啓示って何ですか。

「啓示」(revelation)というのは、 神が人間に対して命題または命令を伝授すること、 または神から伝授された命題または命令のことです。

日本語では、 「啓示」の類義語として 「天啓」「神託」「託宣」「お告げ」などの言葉が 使われることもあります。

[第十一項]預言って何ですか。

「預言」(prophecy)というのは、 神が人間に対して言葉を預けること、 または神から預けられた言葉のことです。

「言葉を預ける」というのは、 「人々に伝達するべきものとして言葉をことづける」 という意味です。

[第十二項]預言者って何ですか。

「預言者」(prophet)というのは、預言を預かって、 それを人々に伝達するという使命を与えられた人間のことです。

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